環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合が6日、インドネシアのバリ島で幕を下ろした。3日前と比べると、この会合はやや静かだった。
交渉に参加したアジア太平洋経済協力(APEC)のあるメンバーは、「会合前と比べてTPP交渉に実質的な進展がない」と落胆している。オバマ米大統領が出席しなかったうえに、8日のTPP12カ国の首脳会合も欠席するためだという。TPP首脳会合の議長国は、ニュージーランドが臨時で引き継ぐことが決定した。
米国の指導者が欠席するTPPは、ボーカルのいないバンドのようなものである。
米国はバリ島で行われるTPP首脳会合で交渉の「大筋合意」の声明を発表し、オバマ政権の来年の選挙での点数稼ぎをしたいと考えていた。ところが、意外なことに、オバマ大統領は共和、民主両党の政権争いを理由にバリ島行きをキャンセルした。
TPP交渉の21分野のうち、まだ半数以上が合意に達していない。これらの敏感な分野は技術官僚の交渉では合意が難しく、各国首脳の政治の判断と妥協に委ねるしかない。
米国のTPPでの優位な立場に対し、交渉に参加する新興経済圏と発展途上国はもともと不満に感じており、オバマ大統領の欠席により、これらの地域は早くから譲歩する気を更になくした。
TPPの悩みは、米国の強い存在感、非対等的というTPPの現在の欠陥を浮き彫りにしている。これはただの成長過程での悩みではない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月8日