近日、日本では金色の商品を選ぶ人が増え、消費者心理に改善がみられている。女性向けの靴から洗濯機などの家電に至るまで、金色は日本の消費者にとって高級品、高機能の象徴となっており、金色を使うことで購買欲を促してきた。2008年のリーマンショック以前の経済繁栄期にも、金色は一時日本で大流行していた。今年の金色商品購入の背景には、消費者のアベノミクス効果などへの期待が反映されているように感じられる。
景気回復の兆候か
東京の西武百貨店池袋本店では、秋冬シーズンの金色が施された女性向け靴の割合が昨年の10%から20%に増え、販売数も9月は昨年同期比で25%増となった。靴先からヒール部分まで、全体的に金色が使われた靴が人気を集めている。
今月21日夕方、東京練馬区に住む55歳の女性が、同百貨店で旅行用に金色のフラットシューズを購入した。「とても綺麗で、服とも合わせやすい。何より、この靴を履くと気分がいいの」と笑顔で話す。
靴だけではない。都内の企業で働く37歳の女性社員は、今月あるブランドショップで約9千円のシャンパンゴールドのスカートを購入した。「たまには明るめの色もいいわ」と嬉しそうに話す。
家電製品でも金色を選ぶ傾向がみられる。調査実施会社のGFKジャパンの調べによると、今年1~6月に販売された金色家電が占める割合は、全自動洗濯機が14%、容量が301リットル以上の冷蔵庫が21%で、2011年1~6月期よりもそれぞれ6ポイントと3ポイント上昇した。
その原因について、家電量販店のビックカメラは、「土豪金(「土豪」とは、その土地を仕切る成金のボスといったややネガティブなイメージがあり、土豪金とは、そういった人々が好む金色という意味)がもつ高級感が消費者の支持を得ている」と分析している。また、パナソニックは、「日本の大型家電メーカーの間で、商品の高性能をアピールするために、ハイテク機器に金色を用いる傾向が広がっている」と分析している。アップルが9月に販売を開始した「iPhone5S」でも初めて金色が使われた。このスマートフォンを販売する家電量販店ノジマは、この機種は「一番人気」で、発売から今日まで品薄状態が続いているという。
今年金色が流行している背景について、日本流行色協会は「景気回復の兆しではないか」と分析している。また、株価の上昇とも関連性があるという。2006年前後、シャンパンゴールドなどの高級感のある金色が流行したが、リーマンショック後はベージュやブラウン、黒といった合わせやすい色が流行した。
商品名も「金」