小泉純一郎元首相はこのほど東京の記者クラブで一時間半に渡る演説を行った。演説の主題は安倍内閣の原発推進の批判であったが、腹立たしいことに演説の中で安倍首相の靖国神社参拝を促し、「日本は現在の対中強硬政策を維持すればよく、中国の顔色を伺う必要はない」と語った。小泉氏は演説を、「中国側が首脳会談の開催に同意しなければ、無理に求める必要はない。中国は日本の首相が靖国神社を参拝していることを批判する、未熟な対応を恥じることだろう」と挑発的に締めくくった。香港・大公網が伝えた。
安倍首相はかつて小泉氏を、「政治の教師」と称していた。「教師」が公の場で「学生」に参拝を促したことで、安倍首相はどのような感想を持っているだろうか。
安倍首相のこの「教師」は、常に人の師たる資格を持っているわけではなく、特に中日関係で大きな過ちを犯した。最終的に「学生」の貢献により、より危険な局面を回避することができた。
安倍首相のみならず、中日関係の動向に注目している人ならば、小泉氏が首相時代に「中国の顔色」を伺わず、首相としての立場で靖国神社を何度も参拝し、中日の首脳の交流を数年間も途絶えさせ、中国人の大規模なデモ活動を引き起こしたことを思い出すはずだ。
小泉氏の退陣後、安倍首相は就任後初となる訪中で、中日関係の「破氷」を促した。その後、温家宝前総理が日本を訪問し、両国関係の「氷」が溶け始めた。胡錦濤前国家主席が2008年に訪日し、「暖春の旅」を始めると、中日関係が徐々に正常化に向かった。数年前の中日関係の低迷の張本人は小泉氏だ。彼が「中国の顔色」を伺わなかった代価は、中日関係の膠着化だ。小泉氏はこれを自身の政治利益に利用し、同時に中国に進出した日本企業の経済利益を損ねた。