日本が軍国主義を回復させるかという問題について、日本の最近の高圧的な軍事・安全攻勢については触れず、筆者がテレビの討論で挙げた例を繰り返そう。
筆者は日本在住の若い中国人映画監督を強く支援したことがある。彼は10年間をかけドキュメンタリー映画『靖国 YASUKUNI』を撮影した。筆者はその後、彼が中国で出版した同名の書籍に序言を書いた。本書は中国でベストセラーになり、映画は日本で抗議を受けたが、世界の映画祭でドキュメンタリー大賞を受賞した。この映画が成功したのは、ショッキングな暴露や批判があったからではなく、10年間に渡る靖国神社の関連資料そのものが深い内省を強いるものだからだ。
ある日本の青年は鑑賞後、「靖国神社に行ったことがなく、なぜ中韓が同問題にこだわるのかよく分からなかった。しかし映画を見てから、特に石原慎太郎氏のヒステリックな茶番を、靖国神社の門前に勲章付の軍服を着た元軍人が大声で戦争を喧伝するのを、遊就館の解説文が是非を混同しているのを見てからは、深く恥じ入り戦争の影を恐ろしく感じるようになった。外国人の友人が私たちを理解できないのも無理はない、私自身も受け入れがたいからだ。参拝を希望する日本の政治家も、この作品をよく見ておくべきだ」と語った。
筆者が中国駐日本国大使館で報道官を務めた5年間は、小泉純一郎氏が靖国神社を6回参拝した5年間でもある。筆者は1978年に14人のA級戦犯が密かに合祀された日より、この人と悪霊が乱れ、神と悪霊がひっくり返された靖国神社を政治家が参拝すべきではなく、特に日本の首相が行くべきではない間違った場だと知っていた。筆者の知る限りでは、一部の戦犯の家族も政治家が自らの利益のために頻繁に参拝し、死者の眠りを脅かすことを願っていない。
中国には、「一度ヘビに噛まれると、十年経っても井戸の縄が怖い」ということわざがある。日本の侵略の歴史を連想し、日本の指導者の現在の行為を見れば、間違った歴史観を持つ右翼の首相が、A級戦犯の祀られている神社を参拝するのが、平和のために祈りを捧げるためだとは誰が信じられるだろうか。さらに日本の現政権の改憲の動き、特に特定秘密保護法案の強行採決を連想すると、被害国が日本の軍国主義復活を懸念するのも仕方ないことだ。