細川氏は古い家柄の出で、肥後国熊本藩第18代藩主であり、近衛文麿元首相の孫でもある。戦後、極東国際軍事裁判を受けずに自殺した戦犯容疑者の近衛文麿の孫である細川氏は、日本が発動した侵略戦争に対して公開の場で反省を表明している。
今回、細川氏の出馬の見所は、「脱原発都市」の主張にある。2011年3月11日の大地震以降、細川氏は地震、津波、原発漏えいという「三重の打撃」が日本の安全を著しく脅かしていると感じ、そのうちの人為的脅威である原発廃止を積極的に訴え、「原発ゼロ」を主張してきた。安倍晋三首相を筆頭とする自民党の利益集団はこれに強く反対。細川氏は都知事選出馬という行動で、地方自治体からこの目標に向けて一歩を踏み出す意志を示した。
もう一つの見所は、細川氏が小泉純一郎元首相とタッグを組んだことだ。安倍首相は小泉氏を「政治の恩師」としてきた。その小泉氏が今、「脱原発」を主張し、細川氏の支援を表明した。これは自らの教え子にびんたを食らわし、安倍首相の計画をかき乱すことに相当する。
東京が「国防都市」になるか?それとも「脱原発都市」になるか?それとも新たな都政建設の道があるのか?2月9日、東京都民は手中の一票で自らの選択をすることになる。その選択に関わらず、日本の政界の方向性に深遠な影響を与える。(文=蒋豊)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年1月19日