最初は強硬で意欲のあった安倍首相も今では恐怖に包まれ、その恐怖感は強まる一方だ。
論理的思考が混乱している人が、内心の平静さを保ち、理性的なことができるだろうか。安倍首相の論理的思考が混乱しているというのは口からでまかせではない。このところの安倍首相の言動はどう見ても思考が正常な人にはみえないからだ。彼は白黒逆にし、靖国神社を参拝するために様々な口実をつける一方、中韓両国首脳との対話を望んでいると称し、「中日、英独類似論」まで持ち出した。
当時の英独関係は、植民地帝国の勢力範囲争奪による結果で、急速に台頭した新興国ドイツにより大きな空間と範囲を争奪したいという野心が芽生え、欧州は戦場の血の海と化した。しかし、今日の中国は経済成長が著しく、経済力をつけ、世界第二の経済大国に飛躍したが、中国は平和的共存という基本原則を貫き、覇を唱えず、他国の内政に干渉せず、他国の主権も侵犯していない。安倍首相が中国を当時のドイツと結びつけたがるのは、「中国脅威論」の主張をまたむし返したいからだ。その魂胆は険悪だが、最も基本的な常識を欠いているため、目的を達することはできない。この点は、ダボス会議を取材した記者の見解からもわかる。およそ正義感のある人であれば、安倍首相のこの比喩に見向きもせず、厳しい批判を浴びせている。あの戦争が世界各国の人々に与えた傷跡はきわめて大きく、その教訓も忘れ難いものだ。誰もあの戦争を覆すことなどできない。日本が戦争「正当論」を堅持すれば、平和を愛する人々の強い反対と恨みを買うのは間違いない。
では、安倍首相はなぜこうした考え、こんな混乱した考えを持つに至ったのか?彼は一方で、このままでは日本はアジアの孤児となり、アジア各国から集団で見放され、集団でバカにして鼻で笑われるという危惧を持ち、もう一方で、日本国内の正義感のある人々の強い圧力を受けている。それだけでなく、日増しに悪化し、戦争勃発の危険すらある中日関係に対し、米国も日本への圧力を強めている。
米国は中国の強大化を望まないが、中日関係の悪化、まして戦争などまったく望んでいない。そうなれば、米国のアジアの地位や影響力にも衝撃を与えるからだ。国内外の苦しい立場が、極度の恐怖と懸念に陥った安倍首相を、数々の自己矛盾した行為に走らせたといえる。
中日関係の氷が解けない限り、安倍首相の恐怖感は消えない。安倍首相が恐怖感を消すための唯一の活路は、過ちを認め、中国や韓国をはじめとするアジア各国の人々に心から謝罪することだ。そうしなければ、中韓両国首脳が安倍首相と会うことも、対話することもない。これは、安倍首相の対話の提案に誠意があるかが対話の扉が開かれるかを決めるということだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年1月26日