日本の株式市場の上昇と円安に伴い、安倍首相の「2本の矢」は効果を発揮したように思えるが、「3本目」はどうだろうか。
安倍氏の金融緩和の実験は「量的・質的金融緩和(QQE)」と呼ばれるが、その結末が懸念されている。
イギリスのフィナンシャル・タイムズのコラムニストのデビッド・ピリング氏は、安倍版金融緩和策は3つの結果が考えられると話す。1つ目は、2年間でマネタリーベースを倍増させることを目的とするQQEが失敗し、インフレ率がゼロに近い水準に下がること。2つ目はさらにひどく、「アベノミクス」が「アベゲドン」に陥り、インフレは手に負えなくなり、金利が急騰し、資本が逃げる可能性である。3つ目は、QQEが効果を発揮し、日本は2%という持続的なインフレ率に向かってまい進し、成長率は1.5%に達する可能性がある。
米インベスコのエコノミスト、ジョン・グリーンウッド氏は、「財政策は効果を発揮しているが、金融策はまだであり、日本銀行の貸借を拡張するのは容易だが、問題は商業銀行がバトンを受け、貸借と通貨供給を増やすかである」と話した。
また、グリーンウッド氏は、安倍首相が実際に放った矢は「1本半」であり、「3本目の矢」はまだ矢筒の中にあると見ている。