中日関係には現在さまざまな不一致が存在するが、日本はなぜこの肝心な時期に実現不可能な「賠償請求」を進めているのだろうか?道紀忠華シンクタンク首席研究員の庚欣氏は、12日に環球時報の記者に対して、「漁船衝突事件の本質的な問題は主権を巡る係争である。両国は過去、釣魚島(日本名・尖閣諸島)の係争を棚上げにし、波風が立たないことが予想された。日本は現在、係争の棚上げを反故にし、釣魚島問題が深刻化している。日本は釣魚島問題における、絶対に譲歩しない姿勢を示そうとしている」と語った。
庚氏は、「より重要な事は、安倍首相が昨年末に靖国神社を参拝してから、日本政府は歴史問題で国際社会から広く批判を浴びており、国際世論の安倍首相を疑問視する声が高まり続け、歴史問題で受け身の姿勢になっている。この状況の中、日本当局は急に3年前の問題を取り上げた。これは人々の注意力を歴史問題から領土問題に戻し、外界の視線をそらし、苦境を脱しようとする安倍首相を支援するためだ。領土問題において、国際社会は特定の立場を表明していないが、歴史問題においては、安倍政権の右翼的傾向を警戒する人が増え続けている。ビデオの公開により、安倍政権は日本国民に偽りの姿を見せ、些細なもつれに注意を引きつけ、事件の本質をないがしろにさせようとしている」と分析した。
歴史問題は確かに安倍首相にとって重き荷となっており、中韓などの周辺諸国から批判が殺到しているばかりか、米国などの同盟国も警戒を強めている。日本が中国人船長に賠償提訴した当日、ワシントン・ポストは「安倍氏、日本の歴史修正主義について説明せよ」と題する社説の中で、「まずNHKの籾井勝人新会長は、慰安婦問題はどこの国にもあったと発言した。その後NHK経営委員会の百田尚樹氏が南京大虐殺を否定し、米国が1945年の日本敗戦後に、間に合わせの裁判で米国の戦争の罪を隠したと称した。日本政府はなぜ明確な態度でこれらの言論を批判できないのだろうか?隣国が、日本が第二次世界大戦の歴史を粉飾しようとしていると批判する中、米国の高官も安倍首相がナショナリストなのか改革者なのかを疑問視している」と指摘した。