小林さん(仮名)は公共バスの中で、出来る限り母国語の使用を避け、他の乗客に日本人であることを知られないようにしている。2012年に日本政府による「島の購入」事件の発生後、主婦の小林さんは中国人の乗客が汚い言葉を口にするか、おかしなことをするのではないかと心配している。タイ紙のウェブ版が伝えた。
身の危険、中国の大気汚染や食品安全の懸念から、一部の日本人は帰国している。33歳の小林さんは、現時点では中国に留まることを決めている。「幸いにして、中国人の友人との関係には影響が生じていない」
2012年の時点で、中国に常住する日本人の数は約14万900人に達し、2013年には15万300人に増加した。不幸な出来事に巻き込まれた人は少ないが、中国にいる日本人やフィリピン人は注意深く生活を送っている。29歳のフィリピン人のマイケルさんは、見知らぬ人に自分の国籍は教えないという。
中国に滞在している日本人も、中国人の同業者と領土問題について議論しないという。纐纈洋寛さん(40)は1997年より中国で生活しており、1999年に中国人の妻と結婚した。彼は中国の友人や親戚と中日関係について議論することを極力避けている。「一部の人は私の考えを聞きたがるが、私はこれを議論しても何の意味もないと答えている」
中国と東京の摩擦により、両国国民の相手国に対するイメージが最悪になっている。しかし、昔の中日両国関係の緊張を経験したことのある西槇高志さんは、現実と想像の間には異なる点があると指摘した。小泉純一郎氏は2001−2006年の就任期間に、ほぼ毎年靖国神社を参拝し、中日関係を冷え込ませた。2004年より中国で生活している西槇さんは、その頃に嫌な思いをしたことはないという。
西槇さんは、「テレビでは反日の刺激的な発言が見られるが、中国人の友人から変な目で見られることはなかった。彼らは政府と個人の行為を区別できる」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年2月25日