北京市出身の牟漢章さん、張世傑さんら37人の元中国人労働者とその遺族は26日午前、北京市第一中級人民裁判所で日本企業を相手取り訴状を提出した。これらの原告は第二次世界大戦中に、日本の旧三井鉱山と旧三菱鉱業に強制連行された中国の労働者およびその遺族で、被告は日本コークス工業(旧三井鉱山)と三菱マテリアル(旧三菱鉱業)だ。これは第二次世界大戦中の中国人労働者が、中国で日本の加害企業を相手取り訴えを起こし、初めて受理されたケースだ。
戦時中に日本の一部の企業は中国の労働力に目をつけ、中国人を日本に強制連行し企業の苦役に就かせようとする要求を日本政府に出した。日本政府は中国人を日本企業の苦役に就かせれば、日本の国民総動員の方針にとって有利であり、中国に対する強奪にとっても有利であると判断した。1942年11月27日には『華人労務者内地移入二関スル件』が閣議決定された。1943年4月から1945年5月にかけて、3万8953人の中国人労働者が169回に分けて日本侵略軍の武力によって捕まると、日本の35社の少なくとも135ヶ所の作業現場に、苦役のために強制連行された。捕まえられた中国人労働者の年齢は最年長で78歳、最年少で11歳で、30歳以下が中心だった。多くの中国人労働者は日本の投降後に帰国したが、6830人の労働者が死亡した。
今回原告となった中国人労働者の主な要求は次の通りだ。日本コークス工業と三菱マテリアルは人民日報、法制日報などの中国語メディア、および朝日新聞、毎日新聞、読売新聞などの日本メディアで、中国語・日本語の二ヶ国語で謝罪広告を掲載する。また被告は中国人労働者一人当たり100万元の基準に従い、原告に賠償金を支払う。
日本の最高裁判所は2007年、中国人労働者が西松建設株式会社に賠償を求めた最終判決の中で、日本企業の加害の事実を確認したが、中国人が賠償請求権を放棄したことを理由に、日本政府および本件の被告を含む関連する日本企業の法的責任を免除した。
環球時報の記者は中国側の弁護士代表の康健氏を取材した。康氏は、「日本の裁判所は司法による解決の扉を閉ざした。本件の意義は、中国の裁判所がこの扉を開いたことにある。これは公平・正義を守るため極めて重要なことであり、第二次世界大戦の労働者の賠償に国境はない。これは人権に対する深刻な侵害だ。このたび中国の裁判所が司法解決の扉を開いたが、これは被害者にとって非常に喜ばしいことだ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年3月19日