海自あきづき型、「汎用」の裏に隠されたからくりとは?(二)

海自あきづき型、「汎用」の裏に隠されたからくりとは?(二)。

タグ: 海自あきづき型 あさぎり たかなみ

発信時間: 2014-03-24 16:03:09 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

海自あきづき型、「汎用」の裏に隠されたからくりとは?(一)

 

しかし上述した内容だけならば、大幅な改良は行われておらず、たかなみをアップグレードするだけで良いはずだ。それではなぜ、新しい駆逐艦を作ろうとしたのだろうか。そのからくりは、あきづきのレーダーシステムと指令制御システムの変化にある。

これはあきづきの上層の建築物の改築により排水量が増加した原因でもある。あきづきは艦橋と格納庫を一体化した後部上層の建築物を高くし、フェーズドアレイレーダー「FCS-3A」を搭載した。

同レーダーは地域防空能力を持ち、4面固定式により360度のカバーを実現した。レーダーにはCバンドとXバンドで動作する2種類のアンテナを持ち、改良型「シースパロー」を誘導でき、127mm砲の火器管制レーダーとしても使用できる。

全体的に見て、あきづきのフェーズドアレイレーダーの性能は、イージス艦のレーダーより劣るが、各国の海軍の汎用駆逐艦に取り付けられているスキャンレーダーの性能を大幅に上回る。

さらに重要なことに、あきづきは新戦闘指揮システム「ATECS」を搭載している。同システムには一部のフェーズドアレイレーダー、高速データ処理システム、艦載作戦システムが含まれ、さまざまな武器からの情報を収集・処理し、防空・対艦・対潜・電子戦の実施を調整できる。これは日本版イージスシステムと呼ばれており、海上自衛隊の武器が「独立・自主」に向かう節目とされているほどだ。

海上自衛隊の「八八艦隊」の編制を見ると、艦隊内の防空任務は主に「あたご」と「こんごう」が担うはずだ。ここで一つの疑問が生じる。なぜ汎用駆逐艦にこれほど高水準の防空・指揮装置が必要なのだろうか。

日本があきづきを建造した直接の目的は、多用途駆逐艦の更新を進めることだ。これは、新たな編制調整、新たな作戦の需要という深い考えがあってのことだ。

海上自衛隊の作戦を見ると、汎用駆逐艦が艦隊の防空任務を担うケースは次の二通りだ。(1)艦隊の防空駆逐艦が弾道ミサイル迎撃作戦を遂行する際に、防空の不足を補う場合。(2)艦隊が遠洋で海と空から激しい攻撃を浴び、味方機の援護を受けられない場合。

この二通りのケースが何を指しているかは、非常にはっきりしている。日本が真の「専守防衛」であれば、これほど多くの費用をかけ艦隊の防空能力を強化する必要はない。フェーズドアレイレーダーを搭載した汎用駆逐艦が海上自衛隊に交付され、遠洋に向かう軍国主義の亡霊が蠢動していることが白日の下にさらされた。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年3月24日

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