映画館チェーンを手掛ける万達集団は先日、13年度のポップコーンの収益は商品全体の収益の72%を占める3.9億元(約64億円)となったと発表した。ポップコーンで高収益が実現する要因といては、低コストでありながら高く売れること、ポップコーンしか売るものがないことなどが挙げられた。ラジオ放送中国之声「全球華語広播網」が伝えた。
これは中国の映画館だけに見られる「ポップコーン経済学」とも呼ぶべき現象なのだろうか。日本を訪れた唐氏は、日本の映画館でも同じようにコーラとポップコーンが販売されているが、館外の価格と大きな差はないと指摘。映画館の収益は映画作品関連の衣類や道具によるもので、多くの来館者がこうしたグッズに惜しげもなくお金を落とすという。
同氏によると、以前映画館のグッズコーナーに、日本の男女の役者二人がパリで撮影した際に着用したというコートやスカートなど一式が並べられており、価格も1着7~8万円と決して安くはないにもかかわらず、多くのファンがそれらの商品に飛びついていたと振り返る。本物が手に入らなくともそれに酷似した商品であれば買う人がおり、それが大きな収入源になっているのだ。
同氏はまた、日本人は記念グッズには目がなく、記念グッズを買うという習慣がグッズを豊かにしていると話す。たとえばある映画に犬のキャラクターが登場すれば、館内にはキーホルダーや携帯ストラップなど様々な形式でこの犬のグッズが販売され、小さなキーホルダーでさえ500円から1000円で販売されると同氏は紹介する。
実はアメリカでも、1930年代の景気低迷期にポップコーンが倒産寸前の映画館を数多く救ったという歴史がある。ある映画評論家よると、米国の映画館は食べ物の持込が禁止されており、来館者のカバンの中身をチェックすることもある。それは映画館のポップコーンとコーラがチケットと同じぐらい高く販売されているためだ。また、大きな映画館には子ども向けゲームルームがあり、子連れの来館者も子どもをこのルームで遊ばせている間に映画を楽しむことができるといった工夫がなされており、これも営業収益の一つだと話す。グッズコーナーで販売されているポスターやマグカップ、衣類といった記念グッズも重要な収入源となっているという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年3月24日