中国の台頭は米日同盟に大きな影響を及ぼす。まずは中国の台頭の、米国に及ぼす影響だ。日本の台頭は米日同盟の中でのことだったが、中国の台頭は同盟外のことだ。ゆえに米国は常に中国を競争者、潜在的な敵国としている。
中国の台頭は同時に、日本にも影響を及ぼす。中国の急速な発展の一方で、日本の景気は長期的に低迷しており、日本の多くの政治家は中国からの「脅威」を感じている。そのため日米同盟は、ソ連解体後に新たな目標を見つけた。それはつまり、中国からの「脅威」への対応だ。
しかし問題はそれほど簡単ではない。中国の台頭は米国の同盟関係から外れてはいるが、同じ体制内にある。ソ連と異なり、中国は既存の国際体制に入ることを選択した。同時に中国の発展の過程は、開放かつグローバル化の過程でもある。この過程において、中米両国間では、経済的な高度相互依存関係が形成された。戦略レベルから見ると、表面的には大きな不一致が存在し、対立していると言えるほどだが、多くの分野には相互依存の関係が存在している。つまり中米両国は、重要な国際事業において互いに支持する必要があり、対立すれば何もできなくなるわけだ。
理論上は、中米関係は構造の関係であり、世界事業の構造だ。中米は協力しなければならず、協力しなければ国際関係の枠組みが弱体化する。この点から見ると、米国は中国との関係を軽率に犠牲にするわけがない(まさにこの原因のため、中国の多くの人は、米国が日本のために中国を犠牲にすることはないと信じている。一部の人は、米国が中国の側に立ち、日本を犠牲にすると判断しているほどだ)。