彼を知り己を知れば百戦殆うからず-今後の日中経済連携に向けて-

彼を知り己を知れば百戦殆うからず-今後の日中経済連携に向けて-。

タグ: 日中経済協会 高見澤

発信時間: 2014-04-10 11:43:21 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

                                                        日中経済協会北京事務所

                                                     副所長  高見澤 学

 

 最近の日中両国関係は、島をめぐる問題や歴史認識の相違から、政治的には理想的でない関係が続いており、特にハイレベルでの交流は久しく途絶えたままだ。その一方で、経済面や文化面では比較的ハイレベルでの交流が厳しいながらも続いている。しかし、政策的課題や法規・制度面での問題など、両国の政府部門が関与する交渉はほとんど進んでいない。

 昨年3月と10月に日中経済協会が、また同年4月には日本国際貿易促進協会がそれぞれ主に日本経済界のリーダーから構成される訪中代表団を派遣するなど、高いレベルでの中国政府との積極的な交流を行った。しかし、日本の一部の国家リーダーによる言動が中国政府や中国の国民感情を刺激することになり、それが経済面での交流にも少なからず影響したことは否めない。2013年の日中貿易総額は前年比6.5%減の3120億ドルと、一昨年に続き2年連続で前年割れとなり、また同年の日本の対中直接投資額が実行ベースで前年比4%減の70.6億ドルになるなど、その影響は具体的な数字としても現れている。

 近年、中国の高い経済成長とともに日中間の経済関係も大きく変化している。日本にとって中国が最大の貿易パートナーとなるなど、日本においては中国の経済的影響が高まる一方で、中国にとって日本経済の影響力は小さくなりつつある。とはいいながらも、日本が経済成長の過程で培ってきた技術や経験は、中国にとって依然として学ぶところが多いことは多くの中国人も認識しているところである。

 量的拡大による経済発展に限界が見え始めている中国にとって、第12次五カ年計画や三中全会での決定からも、経済の質的向上への発展方式の転換が中国政府にとって喫緊の重要課題の一つとなっていることは明らかである。もちろん、高度経済成長後の経済運営を経験してきた日本においても、経済の量的拡大から質的向上への転換がうまくいっているとは言い切れない。むしろこの分野では、日中両国が連携して発展モデルを構築していかなければならないと思っているが、それでも日本には一日の長がある。

 

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