緊張する北東アジア情勢において、中日の対立が地域問題の焦点になっている。日本の英字誌『ザ・ディプロマット』(電子版)は、韓国・延世大学校国際問題研究センター研究員の陳凱(Jin Kai、音訳)氏の文章を掲載し、「中日間の対立には深い歴史的な原因があり、これを解決するためには両国の各自の努力が頼みとなる。米国の干渉は、決定的な力を発揮しない」と指摘した。
地政学的な角度から見ると、中国と米国は平和を維持する重要な理由を持つ(特に両国間の距離からすると)。米国は非常に幸運である。地政学および一部の歴史的な要因により、太平洋・大西洋地域は米国に十分な戦略的空間を与えた。米国は領土外に攻撃を仕掛けるか、効果的な防衛策を講じられるようになった。カナダやメキシコに中国の半分、もしくは3分の1以上の人口やGDPがあれば、米国は北米で現在のような有利な立場を占めていただろうか?
中日関係は大きく異なる。東アジア戦略は非常に複雑で、地域の戦略的な余地も非常に限られている。中日間の係争は、中米の交流の歴史よりも複雑だ。中日間には平和な、共存共栄の時期があったが、中日の歴史には対立・衝突・侵略・屈辱・復讐・隔たりがあり、米国の建国史よりも長い歴史を有するほどだ。ゆえに米国は、歴史の記憶が中日関係において演じる重苦しい、批判に満ちた、深遠な役割をよく理解しておらず、これを真の意味では受け入れていないかもしれない。
日本は敗戦国で、米国に原爆を投下された唯一の国であるが、その後は常に米国と仲の良い同盟国であった。ゆえに米国は、中日両国が地域の安定を維持するために、米国の考えた付き合い方や枠組みを受け入れられると判断するかもしれない。しかし中国は本当にそれを願っているのだろうか?中日両国はこのように共存したいのだろうか?それから、米国は東アジアにいつまで留まりたいのか、という問題がある。米国の東アジアにおける揺るぎなきリーダーとしての地位がなければ、東アジアは「恒久の平和」を実現できないというのだろうか?皮肉なことに、米国が1994年にウクライナに出した世界各国による安全の承諾は、ロシアによって完全に覆された。米国は東と西の二方向で同時に挫折し、最終的に敗北するのだろうか?