安倍晋三首相は10日間の訪欧中に中国の悪口を広め、「中国脅威論」を誇張した。特にNATO本部での演説では、中国のイメージダウンに全力を尽くした。安倍氏の再任以来の中国に関連する発言を振り返ると、常に「中国脅威論」を忘れておらず、口から離れないほどの狂気じみた程度に達していることが分かる。
その他のバージョンと比べ、安倍氏が作成した日本版「中国脅威論」はより扇動的で、欺瞞性と危険性が高い。その内容は、主に次の三つの部分によって構成されている。(1)中国の軍事費の用途が不透明。(2)中国が東中国海と南中国海で、力により一方的に現状を変えようと試みており、日本周辺の安全環境が著しく悪化している。(3)中日の開戦は避けられない。
安倍氏はあちこちで「中国脅威論」という使い古したデタラメを繰り返しているが、いずれも上述した内容が基調となっている。安倍氏は政府首脳として国際的な慣例を破り、中国を何度も名指しで批判しており、中日の対抗を喧伝している。安倍氏はなぜこれほど執着し、盛んに気炎をあげているのだろうか?
まず、安倍氏の「中国脅威論」の喧伝は、自国の軍拡の地ならしとなっている。安倍氏が2012年末に再任した後の初年度に、中国の脅威に対応することを口実とし、11年ぶりに軍事費を大幅に増加した。陸自・海自・空自の武器水準を全面的に引き上げ、米国製の最新の戦略兵器を大量調達し、「統合機動防衛力」の構想、離島奪還の目標を実現しようとしている。4大臣による国家安全保障会議を設立し、首相官邸の外交・国防政策の方針決定に対する権力を強化した。