欧米などの西側諸国がウクライナ問題を理由にロシアに厳しい制裁を加える中、日本は「最もやさしい」制裁方法を選んだ。欧米がロシアのナルイシキン下院議長の入国を禁止するのに対し、日本は招待している。菅義偉官房長官は、「今秋予定しているプーチン氏訪日について何ら変更はない」と述べたうえに、北方領土問題を解決し、ロシアとの平和条約締結を目指す姿勢に変化はないと強調した。
実際、ロシアの制裁に関して、日米欧の姿勢は同じではない。中国現代国際関係研究院日本研究所の胡継平所長は、「閉幕したばかりのG7サミットで、米国のロシアに対する態度は最も強硬的であり、日欧はやや緩和させていた。欧州はエネルギーなどの面でロシアと関係を絶つことが難しい点を考慮したのだろう。日本は北方領土問題を解決したい考えであり、安倍首相は2012年の就任後にロシアとの関係の改善を順調に進めている。クリミア問題により日本は欧米諸国の側に立ってロシアに制裁を加えなければいけないが、日本は自らの手段も残している」と話した。
中国社会科学院日本研究所の趙剛研究員は、日本の目的は北方四島問題を解決することだと強調。安倍首相は自身とプーチン氏には個人的な親交があると見ており、この機会を利用して北方四島問題で進展を図り、日露平和条約を結びたい考えである。しかし、安倍首相が北方領土問題で功績を上げようとしている中、クリミア問題が出てきた。根本から言って、日本は米国に同調し、西側諸国と共にロシアに制裁を加えなければいけないが、日本自身の考えもあり、わざと欧米と距離を置いている。ウクライナ情勢が更に悪化すれば、米国はロシアに対する制裁を強化し、日米間のロシアに対する制裁の態度の差は双方の関係、米国の日本に対する信頼に影響するに違いない。
日本は西側陣営のドイツとフランスを自分側に引き込み、米国にロシアに対して厳しい制裁を加えないように説得している。日本のこの行動は、米国にロシアとの対立から東方に目を向けさせ、いわゆる中国脅威に関心を持たせるためである。
さらに、北方四島問題がなくても、中日関係が厳しい状況にある現在、日本は中ロ間から突破口を探ろうとしている。日本の態度から、米ロを引き込み中国に圧力をかけようとしていることがはっきりわかる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年6月11日