共同通信社の27日の報道によると、安倍晋三首相は8月1日にジルマ・ルセフ大統領との会談を予定しているが、その際に発表を予定している共同声明案が7月26日に判明した。その中には、「中国抑制」の内容が含まれていた。「環球時報」が伝えた。
同案は両国が「法治」などの共通する価値観を尊重することを強調した。同案は中国が防空識別圏を設定し、東中国海と南中国海で海洋活動を展開していることなどから、中国抑制の内容を盛り込んだ。同案はまた、両国が国連安保理改革で協力することを表明した。同案の内容は、安倍首相の随行員によって明かされた。共同声明には他にも、「南中国海の紛争を含めた国際紛争は、武力ではなく国際法に基づき解決されなければならない」という内容も含まれる。共同通信社は、これは中国をにらんだ描写だと分析した。
日本経済新聞は、「中国の指導者がラテンアメリカの訪問を終えたばかりの時期に、安倍首相は中南米を訪問しようとしている。これは同地域で影響力を拡大する中国をけん制するためだ」と報じた。産経新聞も、「安倍首相は訪問中、中南米で影響力を増す中国に対抗するため、中南米への支援を拡大する」と伝えた。
安倍首相は25日、メキシコ、トリニダード・トバゴ、コロンビア、チリ、ブラジルの中南米5カ国の歴訪に向かった。韓国・中央日報は、「安倍首相は祖父の岸信介と同じような道を歩んでいる。安倍首相は7月1日、集団的自衛権の行使容認を閣議決定したが、これは1960年の日米安保条約の署名と同じく、日本国民の強い反発と批判を受けた。岸信介は日本で初めて中南米を訪問した首相であり、安倍首相は中南米訪問により支持を集めようとしている」と指摘した。
中国中日関係史学会副会長の馮昭奎氏は27日、環球時報の記者に対して、「この情報の真偽の判断は難しい。歴史上、ブラジルは日本から大量の移民を受け入れており、両国間には特殊な関係がある。これは日本の外交資源だ。またラテンアメリカは米国の庭のようなもので、安倍首相の訪問は米国の中国抑制を支援する。そのため、本件を軽視することはできない。安倍首相のラテンアメリカ歴訪は、習主席の外遊をにらんでおり、後発者として行動を仕掛ける可能性もある」と分析した。
中国ラテンアメリカ学会副会長の江時学氏は、環球時報の記者に対して、「両国の共同声明が中国を抑制しようとする可能性は低い。防空識別圏はブラジルと何の関係もなく、ブラジルも小国ではないため、中国の指導者を送り出したばかりで、中国を不快にする声明を発表することはあり得ない。安保理改革については、ブラジルと日本は長年協力している。中国は日本の安保理常任理事国入りに明確に反対しているが、これは中国が国連改革に反対するというわけではない。両国のこの協力は、中国抑制には当たらない」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年7月28日