二人目はロシアのプーチン大統領だ。安倍首相にとって、「北方四島」問題の解決は、政権安定の重要な材料だ。当然ながら安倍首相は、朝鮮の指導者よりもプーチン大統領の方が厄介な相手であることを理解している。安倍首相が考えついた、着実で効果的な手段は、このロシアの強者との個人的な関係の構築だ。安倍首相は、プーチン大統領に何度も友好的な姿勢を示している。
G7は2013年6-7月に、同性愛の話題によりロシアを批判し、2014年ソチ冬季五輪のボイコットを宣言した。安倍首相はロンドンで開かれたG7首脳会議で、表面的には欧米の要求に追従したが、今年2月にはソチ冬季五輪の開幕式に出席し、プーチン大統領と愛称で呼び合うことで親密ぶりをアピールした。個人的な関係がかつてないほど強まると、安倍首相はプーチン大統領を日本に招待し、日ロ外交関係をさらなる高みに引き上げようとした。
しかしウクライナ危機の勃発後、米ロ関係が再び相容れない状態となった。米国の忠実な追随者である日本政府は、欧米に従い制裁措置を講じざるを得なかった。欧米がその後、マレーシア航空MH17便墜落事件を受け対ロ制裁を拡大すると、日本政府は岸田外相のロシア訪問見送りを発表した。また予定通りプーチン大統領を9月に招待するかという問題についても、日本政府の内部には大きな意見の食い違いが存在している。こうしてプーチン大統領との距離が開き、安倍首相も内心では冷や冷やしているところだ。
安倍首相は再任後、五大陸の歴訪を終えたが、距離が最も近い最も重要な隣国に蚊帳の外に置かれており、笑いの種になっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年7月31日