日本の多くの一流の学者は、研究分野で卓越した成果を持つだけでなく、日常の仕事の中でも魅力的な人柄を見せる人が多い。私は2011年から世界社会学会組織委員会の委員として、日本の著名な社会学者と仕事をする機会に恵まれてきた。そうした人と親しく付き合う中で分かったのは、優秀な日本の学者は目標達成のために共同で知恵を絞り様々な方法を検討し、努力をやめることがないということだ。例え成功しなくても、手段を選ばず何でもやることは決してしない。問題が起こったら勇気を持って責任を取る。日本では、利益を得るために成功を焦り、手段を選ばず、責任を負わないような人は、学術分野のトップに立つことはできないし、ある分野をリードするような人物にもなることはできない。
STAP細胞論文をめぐる騒動は、その端緒から今回の悲劇に至るまで、メディアの堕落によって社会が理性を失い、科学成果を科学的な態度で評価する理性的な軌道を外れたことを示している。理性の中で羽根を伸ばすはずの科学者が、理性を失った社会を前に取った選択は、日本だけの悲劇ではなく、世界の科学界にとっての損失となった。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年8月10日