毎年8月15日は、日本にとって重要な日である。この日は日本では「終戦の日」と呼ばれている。東京の日本武道館では、天皇と皇后、日本の政界要人が集まり、第2次世界大戦で亡くなった人々のために追悼の儀式を行う。この日は、日本の重要な施設(官邸や公共の建物など)では半旗が掲げられ、追悼の意が捧げられる。(文:中国社会科学院日本研究所日本問題専門家・趙剛)
8月15日が日本の全国的な記念日となった由来は、69年前のこの日、つまり1945年の8月15日に遡る。この日の正午12時、日本放送協会(現NHK)のラジオ放送で、昭和天皇の肉声による『大東亜戦争終結ノ詔書』の録音が流れ(玉音放送)、日本全体の国民に対して、日本が「ポツダム宣言」を受諾し、連合軍に対して無条件降伏することが発表された。
だが8月15日がどのような日なのかは、日本の一般庶民はあまりよくはわかっていないようだ。日本の庶民やメディアは現在、8月15日を「終戦記念日」と呼んでいる。だが日本が「終戦」と呼んでいるものの実質は、連合軍に対する無条件降伏である。無条件降伏なら、日本にとっては何の「記念」の価値もない。日本の当局者はそのことをはっきりと知っており、8月15日の正式な呼び名は「終戦の日」とされている。NHKは毎年、この日について報道する際、「終戦から今日でXX年が経ちました」という報道の仕方をしている。
日本は敗戦後すぐに追悼の儀式を始めたわけではない。1965年に日本政府が武道館で「全国戦没者追悼式」を正式に始めるまで、日本国内には、第2次世界大戦で死亡した国民を追悼する儀式について決められた期日も場所も形式もなかった。
1963年には、戦没者追悼式を8月15日に行うことが初めて決められた。この年の8月15日、日本政府は東京の日比谷公会堂で、「第3回全国戦没者追悼式」を開催した。この後、日本は毎年この日に、政府による追悼の儀式を開催するようになった。