日本は今年も敗戦記念日を迎えたが、ドイツの政治家のように誠意と行動でもって罪ある歴史を反省する日本の政治家を目にすることはなかった。目にできたのは、侵略戦争の精神的支柱・大本営である靖国参拝を堂々と参拝し、そこに祀られている第二次世界大戦のA級戦犯に深々と頭を下げる政治家だった。さらに馬鹿げたことに、一国の首相である安倍晋三氏はこっそり「玉串料」を奉納するという曖昧な手段により、代理人に悪霊の参拝をさせた。
安倍首相が敗戦の日に発表した、いわゆる記念の式辞は、2年連続でアジア諸国に対する侵略と反省の内容、「不戦の誓い」について言及せず、安倍首相の次のような「心の声」をそっくりそのまま反映した。日本にはいわゆる恥じるべき侵略の歴史はなく、過去の侵略の歴史は日本という「強国」にふさわしい「行為・手段」であった。日本は今後も戦争を発動した「先輩」に学び続け、軍拡を推進し、自由に軍事力を行使できる「軍事強国」として再出発を果たすべきだ。
安倍首相及び政権発足後の日本の政治家が、安倍流の「歴史に逆行した」馬鹿げた歴史観をあくまでも堅持しようとするならば、日本には未来はない。客観的、正確、かつ歴史の流れに合致する歴史観のない国が、「正常な国」になることはあり得ない。古い思想を後生大事にする、血を好む国が、合格と見なされる「外交」を展開できるはずがない。