石破氏と安倍首相の協力は、安倍政権の政界における地位を固め、極右的な政策を推進する安倍首相に自信を与えた。表面的には中国に公然と対抗しているようだが、実際にはこれにより復古主義的な政治の理想を実現しようとしている。この思想は同じく保守的であるが、政治面で慎重な姿勢を示している石破氏にとっては大きな試練だ。安倍首相の火遊びじみた政策、つまりアジアで全面的な孤立化に陥り、世界が乱れることを願う行為は、石破氏の一貫した政治手法ではない。両氏がすでに政治的に対立しているとは言えないが、石破氏が安倍首相と共にすべての政策の結果を受け入れるとも言えない。ゆえに石破氏と安倍首相は袂を分かち、それぞれの道を歩んだ。
石破氏はこの1年半に渡り慎重な姿勢を続け、復帰の時期を探ってきた。安倍首相は中南米訪問を控えた7月24日に、石破氏と二人きりで昼食をとり、1時間半に渡り会談した。この昼食会で、安倍首相は石破氏に「安保相」就任を依頼した。石破氏は即答を避けたが、この情報はすぐに日本の政界に広まった。政治アナリストは、石破氏に受け入れの意思がないばかりか、すでに反撃の計画を立てていると判断した。
石破氏は30人の国会議員を集め、「研修会」を開いた。これは名義上は「無派閥連絡会」の集会だったが、実際には「石破派」の旗揚げのシグナルだった。石破氏は額賀派から無派閥になり、「無派閥連絡会」の招集者として「石破派」の頭目となった。これは単なる時間の問題ではなく、石破氏が最高権力を手にするため避けては通れない道だ。
石破氏が安倍首相からけん制を受けなくなれば、自由の身を取り戻し、その他の派閥と同盟を組むことができる。安倍政権は、もう長くないかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年9月1日