森喜朗元首相(左)、青瓦台(韓国の大統領官邸)で朴槿恵大統領と会談。安倍晋三首相の親書を渡す。
韓国の朴槿恵大統領は今月19日、仁川アジア大会の開幕式に出席した森喜朗元首相と会談した。2020年東京五輪組織委員会会長の森氏は、開幕式出席の他に、「重大な責任」を担っていた。森氏は安倍晋三首相の朴大統領に宛てた、両国の首脳会談を求める親書を携えていた。また森氏は会談の中で友好的な姿勢を示し、1970年に訪韓した際に朴正熙元大統領と会談した時のことを覚えていると述べた。
これは日本の韓国に対する「働きかけ」の、新たな措置だ。安倍首相は2ヶ月前に韓国メディアの責任者の前で会見した際、朴槿恵大統領と会談し、両国の緊張した関係を緩和させる意思を示した。
だが、こうした働きかけに、朴槿恵大統領はうなずかなかった。安倍首相が親書の中で首脳会談を提案したことについて、朴大統領は「日本は歴史問題の清算で措置を講じなければならない」と述べ、「これまでの経験を見ると、韓国と日本の首脳会談後にも、両国関係が改善されず、むしろ冷え込んだことがある。ゆえに教訓を汲み取り、先に準備を整えなければならない」と指摘した。
朴大統領の安倍首相に対する冷淡な態度には、理由がある。歴史や領土などの問題で、日本は韓国に誠意のなさを見せつけている。安倍首相は両国関係の改善の願いを示し、「熱心に」会談を求めながら、韓国社会の各界の神経を何度も尖らせている。
3月の米韓日首脳会談以来、日本は歴史問題を巡り、韓国などアジアの隣国の歴史の傷に塩を塗り続けている。安倍内閣は年初、慰安婦問題の反論を試みたが、日本社会はこのほど再び、朝日新聞の慰安婦問題の記事を攻撃している。韓国政府は今月16日、慰安婦問題全体を単なる捏造に歪曲しようとする動きが、日本で台頭していると指摘した。安倍内閣の高官は靖国参拝を続けており、安倍首相本人も、隣国に対して数え切れないほどの罪を犯した戦犯に追悼文を捧げ、彼らを賞賛したことが報じられた。
歴史問題以外にも、韓国は安全問題で日本に警戒せざるを得ない。7月1日の自衛隊創設60周年記念日に、安倍内閣は侵略の歴史を徹底的に反省しないまま、憲法解釈見直しによる集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、危険な軍事大国復活に向け大きな一歩を踏み出した。これは韓国から懸念された。韓国の国会はこの措置を批判する決議案を出し、北東アジアの平和と安定の脅威と受け止めた。日本政府が8月に発表した2014年版防衛白書は、集団的自衛権の行使容認を強調したほか、日韓の係争中の島(日本名·竹島、韓国名·独島)の主権について再言及した。韓国政府はこれに強く抗議し、全世界に侵略の歴史を反省しないと宣言するようなものだと指摘した。
安倍首相は隣国関係の改善を何度も口にしてはいるが、実質的なのは隣国に対する挑発行為で、しかも変わりやすい顔を続けている。これを鑑みると、朴大統領の森氏に対する回答が興味深いことが分かる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年9月22日