大胆な金融緩和、消費税増税、民間投資の喚起、財政の健全化、国民総所得の向上―これらは安倍内閣が掲げる、日本経済を好循環に向かわせるためのセールス文句である。しかしこの「アベノミクス」は、いまや苦境に立たされている。とりわけ2015年に消費税率を予定通り8%から10%に引き上げるかどうかについては、一段と難しい選択を迫られている。欧米にはもはやアベノミクスを誉めそやす人はいない。彼らは日本経済の先行きについて不安視し始めており、物価目標も国民総所得も達成できると見ている人はいない。
麻生財務相は、(12日のアジア欧州会議)財務相会議後の記者会見で「日本を含むアジア経済は一定の評価を得ている」とした上で、今後の消費税率の引き上げ問題について、 「上げないことによって世界中からの信用が落ち、国債を売り浴びせられると、影響が見えない。そうならないようにする対応が大切」と語った。