日本の新たな臨時国会が9月29日、開幕した。安倍晋三首相は、衆議院の本会議で所信表明演説し、「経済最優先で政権運営にあたる」と明言し、地方経済の振興と活性化に力を入れることを強調した。だが関連措置が大型の公共プロジェクトの予算作りにすり替わり、自民党の票集めの道具となり、政府の債務をさらにふくらませるだけに終わるのではないかという疑問の声もある。
「アベノミクス」によって日本経済は勢いを盛りかえしつつあるように見えるが、多くの地方の経済はその恩恵を受けていない。安倍首相は演説で、「景気回復の実感を全国津々浦々にまで届けることが安倍内閣の大きな使命」と語った。「若者にとって魅力ある町づくり」など地域の活力を高めるための措置を打ち出し、「女性に活躍の舞台を用意する」政策と合わせて、経済成長の原動力とするとした。
米国との協力重視 女性重用
安全保障の問題では、安倍内閣はこれまで通り米国との協力を重視し、「在日米軍再編については、現行の日米合意に従い、抑止力を維持しつつ、基地負担の軽減に向けて全力で取り組」むとした。
沖縄については安部首相も、アジアとの交流の核心的な都市として発展させる意欲を見せた。「昨年度、沖縄を訪れた外国人観光客は過去最高となりました。『アジアの架け橋』たる沖縄の振興に全力で取り組み、この勢いを更に発展させてまいります」
日本の人口減少によって市場はすでに飽和点に達しており、安倍首相は、日本の国際化を進めることがその突破口と捉えている。2020年の東京五輪を「日本が新しく生まれ変わる大きなきっかけ」とし、世界に向けて発信する必要がある。防災措置を強化し、被災地を全面的に復興し、強い日本を作らなければならない。さらに地方都市の振興を進め、さらに多くの外国人観光客を引きつける魅力的な町づくりを進めるとした。
安倍首相はさらに、日本の教育の国際化の狙いは、世界市場を開拓できる日本の若者を育てることだけでなく、外国人留学生を引きつけ、海外の人才を誘致することにもあるとした。
また女性の就業率を高めることは、労働力不足の圧力を緩和することになる。今回の国会では、国内の上場企業に対して女性役員数の情報公開を義務付ける法律を制定し、さらに多くの大企業が女性人材を重用する措置を取る。