9月27日午前11時53分、日本中部の御嶽山が噴火し、火山灰と石が周辺地域に降り注ぎ、登山客の不意をついた。山頂に登山した人のうち12人の死亡が確認されており、24人の行方不明者の安否も不明だ。
日本は火山多発国で、予知技術は世界でもトップクラスだ。それでは、日本の科学者は今回、なぜ火山の噴火を事前に予知できなかったのか?ネイチャー誌は、この問題について解説した。
日本の活火山の数
日本には110の活火山があり、そのうち47が常時観測されている。これらの活火山は近年も噴火しており、地震活動や地殻の変形、もしくは大量の煙の噴出といった予兆を見せている。これらの活火山の圧倒的多数は登山を禁じられている。富士山や御嶽山も47の活火山に入っているが、少数の例外として登山を認められている。
御嶽山の噴火歴
御嶽山は1979年、1991年、2007年に噴火したことがある。しかしこれらの噴火は、地下水の極端な加熱により生じた水蒸気が地表に出ることによって生じた水蒸気爆発であり、マグマを噴出していなかった。1979年と1991年の2度の噴火は、十分な装置・設備がなかったため、マグマの活動状況を観測できなかった。
御嶽山の予知の装置
御嶽山には12台の地震計と地殻変動観測装置があり、山周辺の10キロの範囲内に設置されている。5ヶ所の衛星利用測位システム(GPS)と1台の傾斜計も、マグマの活動によって発生する地表の変形を観測している。しかし御嶽山には、ガスの放出を観測する設備がない。