・逆風が吹く
安倍内閣に対する逆風は常に存在している。多くのアナリストが指摘している通り、安倍首相が2012年の就任から国民の支持を集め続けられたのは、アベノミクスの当初の成果が原因だった。国民はまた、安倍首相の安全政策と一定の距離を維持してきた。安倍首相の集団的自衛権の行使容認が国民の支持を得られなかったことから、7月の滋賀県知事選では無党派の元民主党衆議院議員の三日月大造氏が、自公推薦の元経済産業省官僚の小鑓隆史氏を破り、知事に初当選した。
日本の専門家は、日本国民は安倍首相と共に右傾化していないと分析した。NHK放送文化研究所が行った世論調査によると、「最近の安全保障もしくは外交について、日本人の意識が右傾化していると指摘されているが、それについてどう思うか」という設問に対し、「日本は右傾化しており、懸念している」が26%、「右傾化しているが、問題ない」が38%、「右傾化していない」が23%を占めた。専門家は、「これは26%が左派、38%が中立派、23%が右派であることを意味する」と指摘した。
安倍首相が新たな安全政策(特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認など)を「強行裁決」に踏み切るたびに支持率が低下したが、国民は安倍首相が経済政策を推進する力があると判断し辞任を望まず、時間の経過に伴い支持率も回復した。しかし技術的衰退に陥った日本経済は、アベノミクスの輝きを失わせている。安倍首相も国民の支持を得る源泉を失う危険にさらされている。
沖縄県知事選の急変は、安倍首相に冷水を浴びせた。安倍首相は普天間基地問題で米国という「兄貴分」の前で気まずい思いをさせられるほか、沖縄県民の不信任に直面せざるを得なくなる。一部メディアの次の分析は、さらに重要なことだ。沖縄県知事選は、連立政権を組む公明党の自民党に対する不信任を示した。知事の候補者選びで、公明党は自民党と手を組まなかった。自民党は右翼の新政党「次世代の党」と現職の仲井真弘多氏を推薦したが、当選は果たせなかった。
・風向きが変わる