▽大虐殺の真相を抹殺してはならない
1997年、三谷氏は新聞紙上で、松岡環氏が発起した中国侵略兵の証言を集めるホットラインの存在を知った。三谷氏は立ち上がり、証人として何度も集会に参加し、日本の公衆にこの時期の歴史を語って来た。
「南京大虐殺がなかった? まったくのでたらめだ!」 三谷老人は激情して言う。天皇のために命を捧げようという軍人が、悪魔になった。捕虜や市民を虐殺し、女性を強姦した。まったくの恥知らずだ。「日本の軍隊の暴行を語り、南京の人民に懺悔しなければ、生涯心が休まらないだろう」。2007年12月、南京大虐殺70周年の際、88歳の三谷老人は家族に付き添われて南京に戻って来た。
「出発前、何かトラブルになるのではないかと親戚はみな反対でした」と三谷氏の娘は語る。「でも父の決意は固く、絶対に謝りたい、これが最後の機会になると言い張りました」
▽100歳になるまで右翼と戦う
南京大虐殺にかかわった旧日本軍の兵士は戦後、ほとんどが沈黙を選んだ。三谷氏は「理解できない。なぜいつまでも黙っていられるのか」と憤る。日本の右翼勢力からは今も、侵略の歴史を否定し、南京大虐殺を否定する声が上がる。安倍政権は、平和憲法の修正をはかり、内閣による解釈変更という禁じ手で集団的自衛権の解禁を進める。三谷氏は怒りを隠さない。「安倍首相はひどい。つかまえて、こらしめてやりたい」。日本政府がもしも侵略の歴史を徹底的に反省せず、南京大虐殺の史実を認めず、心からの謝罪をしなければ、中国などの国の許しを得ることはできない。「軍国主義が頭をもたげれば、日本は再び戦争に巻き込れるかもしれない。反戦の力を結集し、軍国主義の復活を絶対に阻止しなければならない」
「私の力は取るに足りないかもしれない。でも100歳まで生きて、歴史の真実を隠そうとする勢力と最後まで戦いたい」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年11月23日