報道によると、世界では、ハエほどの大きさで重量わずか106mgの世界最小の無人機が作られている。その材料は主に炭素繊維。捜索や救援活動などで利用でき、狭い空間に入り込んだり、特殊な環境情報を取得したりすることが可能となる。軍事・民間の両方でその潜在力は高い。
軍事・科学技術強国は最近、炭素繊維産業の発展をはかるため、リサイクル可能な炭素繊維材料の発展促進計画の打ち出しや革新研究機構の新設、工学ナノ技術や炭素繊維など6分野の発展を進めており、各勢力がこの新たな技術をめぐって壮大な争いを繰り広げている。
「黒い黄金」の秘密
炭素繊維の原型は、英国人ジョゼフ・スワンが1860年、電球フィラメントの製作中に発明し、特許を得た技術にまでさかのぼる。この材料はその名の通り、繊維状の炭素材料で、黒色を呈し、非常に堅い。強度は鋼よりも大きく、密度はアルミニウムよりも低く、耐腐食性はステンレススチールよりも高く、耐熱鋼よりも高温に耐え、銅と同じくらいの電導性を示す。電気学・熱学・力学などの優れた性能を備えた総合的な新型材料であり、製造技術の難度が高く、実用価値も高いことから、業界では「黒い黄金」と呼ばれる。
炭素繊維は「外は柔かく中は堅い」という性質を持ち、炭素材料の特徴を持つだけでなく、紡織繊維の柔軟性と加工性を兼ね備え、次世代の高性能増強繊維とされる。頭髪の何倍も細く、樹脂・炭素・セラミック・金属などを基体として複合成形すれば、すぐれた性能を持つ炭素複合材料となる。航空・宇宙・エネルギー・交通・軍用装備などの応用分野は幅広く、国防軍事工業や民間の生産・生活にとっての重要な材料となる。
難度の高い製造