軍事工業のカギとなる炭素繊維、日本で4分の3が生産

軍事工業のカギとなる炭素繊維、日本で4分の3が生産。 報道によると、世界では、ハエほどの大きさで重量わずか106mgの世界最小の無人機が作られている。その材料は主に炭素繊維。捜索や救援活動などで利用でき、狭い空間に入り込んだり、特殊な環境情報を取得したりすることが可能となる。軍事・民間の両方でその潜在力は高い…

タグ: 無人機 炭素繊維 エンジン

発信時間: 2014-11-28 11:28:24 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

国防装備をグレードアップ

海外メディアの報道によると、米国で開発中の戦闘機「F-35」の初飛行が延期されていた重要な原因の一つは、重すぎることにあった。この難題を克服するため、メーカーのロッキード・マーティンは様々な方法を検討し、炭素繊維複合材料を35%採用することによって機体の重量を引き下げることを決めた。ある意味では、F-35戦闘機を可能としたのは炭素繊維複合材料だとも言える。

炭素繊維複合材料は、高ステルス性能の実現に不可欠な基礎的材料であるだけでなく、武器装備系統の先進性をはかるシンボルともなっている。「X-47B」「グローバルホーク」「グローバルオブザーバー」「ゼファー」などの航空機は、炭素繊維複合材料の比率が高く、ペイロードや航続時間、生存能力などでいずれも新たな段階に入っている。

現役のF-22戦闘機の最大の特徴は、ステルス性能が高いことにあるが、炭素繊維複合材料を大量に使用していることと関係している。またF-117A戦闘機やB-2ステルス爆撃機なども炭素繊維の電波吸収材料を採用している。スウェーデンのヴィスビュー級コルベットの艦体に用いられているのもすべて複合材料であり、高いステルス性や高い機動性、長い寿命など先端的な作戦を可能とする性能を実現している。

宇宙分野ではさらに細かい差が重要となる。固体燃料ロケットエンジンは質量が1kg減るごとに、射程距離は16km伸びる。このため炭素繊維複合材料は、米国の「パトリオット」や「トライデントII」、ドイツの「HVM超音速ミサイル」、フランスの「アリアン2ロケット」、日本の「M-5ロケット」などのエンジンケースに大量に用いられている。炭素繊維は今後、先端的で戦略的な武器装備の小型化や高機動性、高精度、高突破能力を実現するための重要な土台となるものと見られる。

新型で高性能の炭素繊維複合材料は、安定性と信頼性がさらに高まっており、超音速航空機や国際宇宙ステーション、先進衛星などに大量に応用されている。米国防総省は報告書「21世紀の国防ニーズに向けた材料研究」の中で、「装備の20%から25%の性能アップを2020年までに実現することができるのは複合材料だけだ」と強調している。

中国でも近年、炭素繊維とその複合材料は、中国の国防建設の発展を促進するため、国家重点支援の対象として組み込まれた。専門家は、未来に向けて高水準の産業チェーンを自ら構築し、国家の安全利益にかかわる核心技術を手中に収めることが、国家の振興と軍事の強化という中国の夢を実現するのには不可欠だと呼びかけている。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年11月28日

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