安倍首相が2014年に行動に出なかったのは、日本が歴史認識問題などで中韓と対立する恐れがあったからだ。中韓との関係改善の流れが見える中、安倍首相は靖国参拝がこの流れを途絶えさせ、批判を浴びることになると判断した。
中国への懸念
安倍首相が2015年に参拝するか否かという問題が注目されている。菅義偉官房長官は2014年12月26日の記者会見で、安倍首相が今後靖国神社を参拝するかという質問に対して、「参拝するか否かを公表する必要はない。これは個人の意志によってのみ決まる」と答えるに留まった。
しかし政府と政権与党内からは、安倍首相が今後一定期間に渡り靖国神社を参拝することはないという、多くの観点が示されている。「安倍首相にとって、現段階で参拝する動機は少ない」と指摘する声もある。
安倍首相の態度は、すでに中国から友好的な反応を得ている。日本政府筋によると、中国政府は安倍首相が12月26日に参拝を見送ったことを確認すると、中日首脳会談で合意に達した、東中国海の不測の事態に備える「海上連絡メカニズム」の協議再開に向け日程の調整に着手した。このメカニズムは双方の艦艇や航空機による、偶発的な軍事衝突の回避を促す。