西村氏からは中国の経済改革について「経済構造を根本的に立て直し、筋肉質な経済構造に鍛え上げていく必要」との提言があり、中国の地方出身学生が北京の不動産高騰で地方回帰を強めていることなどのエピソードにも言及があった。
伊東氏は日中間のパーセプションギャップを埋めるためには、小さな成功例を積み上げながら日本で中国を理解する人(=「資源」)を増やしていくことが大切であることを、自身の経験をもとに熱く語った。
佐野氏は中国ビジネスにおける「スピード」と「実践」の大切さを強調し、中国社会に特有なコネだけではもはや不十分で、コネは当然のこととして、その上で、市場で勝ち残る競争力が問われているとの率直な現場報告があった。
参加者からは、コンプライアンスについての認識の違いや知的財産保護のあり方、さらには「訪日観光の増加は、香港や台湾などのように、逆に摩擦を深めるのではないか」「日系企業は欧米に比べ賃金が低く、昇進の道も閉ざされている」などの質問や問題提起があった。
講演会は3時間半という限られた時間ではあったが、参加者からは「それぞれの立場から率直な意見を交換し、有意義な交流の場になった」との声が聞かれた。
日中経済発信力プロジェクトとしては、北京では次回、春節後の3月をめどに若者に焦点を当てた講演交流会を開催する予定。また上海でも地元の学生団体らとの交流イベントの企画を進めている。
※『日中関係は本当に最悪なのか―政治対立下の経済発信力』
http://duan.jp/item/172.html
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年1月27日