「安倍談話」、有識者懇談会開催 そのねらいは?

「安倍談話」、有識者懇談会開催 そのねらいは?。

タグ: 安倍談話 反ファシズム戦争

発信時間: 2015-02-27 09:11:36 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

安倍首相の戦後70周年談話の発表を準備する「有識者懇談会」が25日、日本で開かれた。懇談会は、「20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会(21世紀構想懇談会)」との正式名称で、安倍政権の選んだ16人の専門家からなる。今年8月の「安倍談話」に向けて提案と判断材料を提供する役割を担うが、安倍首相が「有識者懇談会」を組織した本当のねらいと実際の効果には疑念の声が上がっている。

安倍首相はここ2年、戦後70周年に「談話」を発表するとの情報をリークしてきた。当初は、新たな「安倍談話」で「村山談話」を代替するとの意図を明確にしていたが、その後、内外の圧力を受け、「村山談話」などの歴代の内閣の歴史認識を「全体として継承する」と立場の変更を余儀なくされた。

ここ数カ月の安倍内閣と安倍首相本人の言論から見ると、「安倍談話」は、「三段式」の談話となる可能性が高い。第一部分では歴史認識、第二部分では日本の戦後の歩み、第三部分では未来について語るという構造だ。現状から考えると、「三段式」談話の重点は後ろの2部分に置かれ、日本の戦後の「平和的な歩み」と国際社会に対する「貢献」、さらに安倍首相のこだわる「積極的平和主義」が強調されると見られる。「村山談話」の核心となっていた「植民地支配」「侵略」「謝罪」などのキーワードは、「安倍談話」では回避がはかられる可能性が高い。

もしそうなれば、安倍首相が「村山談話を受け継ぐ」としているのは口先に過ぎず、実際には「村山談話」の核心的な内容と精神とが選択的に否定されることとなる。「村山談話」は、侵略の歴史に対する当時の日本政府と世論との総括と反省とを代表するもので、日本と被侵略国との間の和解の実現にとっての重要な条件となってきた。だが日本の右翼勢力は「村山談話」に異論を持ち続け、安倍首相も「侵略の定義は定まっていない」との見方を繰り返し、「植民地支配」「侵略」「慰安婦」などの言葉を拒否し、靖国神社の参拝を通じて日本軍国主義の魂を呼び寄せるという挙にまで出ている。もしも率直に歴史に向き合うという態度を自らが欠いているならば、「有識者懇談会」はただの見世物に過ぎず、世間を欺く道具とさえなるだろう。

軍国主義の侵略の歴史と明確な線引きを行うことは、日本がアジアの隣国と関係を発展させる重要な政治的土台であり、日本の外交政策の方向性を示す試金石となる。日本の戦後70年の事実は、中国や韓国などアジアの国々が日本の侵略の歴史にこだわっているのではなく、日本を批判し抑えつけるカードとして中国が歴史問題を利用しているのでもなく、日本自身が過去を正視できていないということを示している。

世界の反ファシズム戦争と中国人民の抗日戦争の勝利の70周年となる今年、中国と国際社会は、日本の侵略の歴史に対して安倍政権がどのような態度を取り、対外的にどのような情報を発信するかを注視している。安倍政権が直面しているのは、「侵略の歴史を否定しうやむやにすることで負の遺産をこれからも背負っていくのか、それとも侵略の歴史を率直かつ深刻に反省して身軽になって進んでいくのか」という厳しい問題である。国際社会はこの問題の動向を期待を持って見守っている。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年2月27日

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