中国人のツアー客が日本でのショッピングに精を出すようになったのは最近ではないが、これまではあまり注目されてはいなかった。だが日本の「便座」の爆発的人気と春節(旧正月)での日本での消費が60億元に達したというニュースで、人々の関心は急速に高まりつつある。「環球時報」が伝えた。
なぜこれほど多くの中国人が日本での買い物に熱を上げるのか。一言で言えば、品物が良く、価格が手頃だからだ。日本の品物には偽物はほとんどなく、品質が高い。日本はすでに、劣悪な偽物が通用する段階を過ぎており、食用や使用に安心・満足できる品物が大部分を占めている。価格を見ても、日本の一部の商品は中国よりも安い。日本の品物が安いだけでなく、日本に輸入された米国や欧州の品物も安い。これまでは日本の物価が高く、中国の物価が低いというのが常識だった。だがすでに驚くべき変化が起こっており、東京でも一部の商品の価格は中国を下回っている。中国人が日本に買い物に出かけるのは、この変化の結果と言える。品物が良く、価格が手頃なものを求めるのは、すべての買い物客に共通の心理であり、自然な反応と言える。日本の欠点を挙げ連ね、日本での買い物に熱を上げる同胞を非難するよりは、自尊心と向上心をもってこの現象の原因を分析し、対応措置を決めるべきだ。検討課題としては次の2点が考えられる。
(1)インターネットによって世界は狭まり、ビジネスにおける国境線は区別しにくくなっている。ネットでは多数の店舗を比べることも難しくなく、適者生存がより広い範囲で展開されつつあると言える。関税障壁によって本国の企業と製品を保護する効果は弱まっている。中国の輸入商品が他国より高いのは、ほかにも原因はあるものの、関税の高さが重要な原因の一つだ。関税によって本国の企業と製品を保護すると同時に、大量の国民が国外に購入に出かけるという負の影響をいかに抑えるかが、関連部門が真剣に取り組むべき新たな課題であり、大きな問題となっている。
(2)中国は製造業大国であり、世界的に評判の高い製品も少なくない。だが総じて、中国製品は精巧さに欠け、品質が劣り、使用者のことが十分に考えられていないのも事実である。とりわけ偽物がいまだに市場に出回っているために、人々は安心して品物を使うことができない。生活レベルの高まった国民が国外に目を向けるのは当然のなりゆきである。だがこれは、国内消費を引っ張るという目標と相反する。このような現象を防止するには、第一に、偽物の取り締まりを強化し、偽の商品が市場を横行する歴史に終止符を打つことが前提となる。第二に、企業が独自性を発揮し、それぞれの強みを生かしてさらに精巧な製品を作ることを奨励する必要がある。コストパフォーマンスが高く人々に愛される優れた製品ができれば、人々も自然と国産品を使うようになり、わざわざ外国から重い荷物を背負って帰ってくることもなくなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年3月3日