林国本
今年は北京、石家荘をはじめとする中国北部はスモッグの中で旧正月を迎えることになった。北京は北西部、北部、南西部が山間地帯で風向きなどの要素も加わって、スモッグが上空に停滞したままの日が何日か続き、気象台やテレビでは、ずっと観測数値を発表し、市民に呼吸器官の病気の予防のため、外出を控えるよう呼びかけていた。また、こういう大気の環境のもとでは、旧暦の除夜に爆竹を鳴らすことは適当に控えては、という呼びかけもあった。
環境保全意識の向上とも関連があるとも思われるが、今年は爆竹を鳴らす人がいくらか減り、市民の間では爆竹に規制の網をかぶせてはという見方を表明するものも現れてきた。
しかし、昔から伝わってきた習俗を規制することは心理的にも納得しがたいという人たちもいるので、習俗と環境保全意識との綱引きは当分続くことになろう。