なが年、ジャーナリズムの世界で暮らしてきて、第一線から引退後も、生活のためではなく、趣味、生涯学習としてジャーナリズムの世界の一角で新たなコンテンツの開発を楽しんでいる昨今である。このところ、北東アジア地域の情勢にも興味を覚えるようになり、その一角としてCCTVの「海峡両岸」番組の新たな動きにも関心を持つようになっている。
「海峡両岸」のもろもろの事柄も、掘り下げていけば、清朝末期の国運の衰退により、台湾の割譲を余儀なくされたことが原因となっているわけだ。学術上、「ポストコロニアリズム」という言葉があるが、なが年、他国の統治下にあった地域は、教育その他の原因によるが、その統治に抵抗する人たちを生み出すと同時に、他国に追随する人たちをも育てることにもなった。たとえ、一時期占領下に置かれても、かつてのフランスのドゴール大統領と軍の学校で同期の桜だったペタン元帥のように、まったく違った人生の道をたどるケースもあった。ドゴール将軍はナチスドイツと戦うため、イギリスでレジタンスのリーダーとなり、ペタン元帥はナチスに協力して戦後、無期懲役にひとしい幽閉の人生を送ることになる。こういう実例は枚挙にいとまなしと言えよう、「両岸関係」にはこのところ新たな動きが見られるが、同じ中国人でありながら、一堂に会して何度も語り合わなければコンセンサスをつくり上げにくい、ということは、つまり、これからの目標とする両岸の平和的発展にはかなりの歳月をかける必要があろう、というわけだ。