中国はかなりの種目で金メダルに輝いているが、それはかなりの種目で「追われる立場」に立たされていることを意味する。スポーツの世界では、なおさら勝敗と王座の確保についてじっくり考えてみることも必要であろう。
王座の味を一度知ってしまえば、そこから引きずりおろされることは大きな喪失感を味わうことになりかねない。
かつては、「友好第一、試合第二」と言うスローガンがあったが、最近はテレビでも、金メダル、銀メダル、銅メダルの数がグラフで詳しく示されるようになり、ファンたちにGDPのみを追求するのではないと同様に、金メダルのみを追及すべきではないということは、どうもはばかられる雰囲気がある。私見ではあるが、競技であるかぎり、勝利をめざすのは当然であるが、一時期それを失っても、喪失感にさいなまれないような心理的素質も不可欠である。最近は、こういう役割を担う人が少なくなったようだ。せっかちな人が増えているようだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年9月13日