賃金をめぐる交渉は産業間、企業間のアンバランスも浮き彫りにした。安倍政権の経済政策「アベノミクス」が実施されてから2年余り、恩恵を受けたのは輸出を手がかける大企業だけだった。国内需要型の中小企業は円安や輸入原材料価格の上昇に苦しみ、経営状況が悪化したため、賃上げに同意したところは2割にも満たなかった。小売企業は人手不足に悩み、賃上げによって人材を引き留めたいと思いつつ、消費の低迷や売上の減少で賃上げするだけの体力がなく、身動きできない状況に陥っている。
日本の厚生労働省が行った調査によると、消費増税や円安による輸入商品価格の上昇の影響を受けて、日本の実質賃金指数は2014年12月から18カ月連続で低下。14年の労働者の実質賃金は2.5%減少し、3年連続の減少となった。
目下、日本の雇用の7割を占める中小企業で労使交渉が行われており、賃上げ率が物価上昇率を上回るかどうかに注目が集まる。日本紙「朝日新聞」の分析によると、今年の「春闘」では基本給の上げ幅が過去最高を記録したものの、物価上昇幅には追いついていない。企業が2年連続の賃上げ後に賃上げコストを消化できるかどうかにも懸念が寄せられているという。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年3月21日