「日本帝国時代の名艦」と呼ばれる「出雲」は1945年7月24日、米軍の軍機によって呉軍港に沈められた。69年8ヶ月後の今日、新たな「いずも」が横浜で正式に就役し、戦後最大の戦艦として海上自衛隊に加わった。同艦の排水量は2万トン弱、全長は248メートルで、38メートルの幅を持つ直通甲板を持つ。日本メディアでさえ、この大型艦を「どう見ても空母のよう」と報じているほどだ。
複数の中国軍事専門家は25日、環球時報の取材に応じた際に、「いずも就役」に関する観点を示した。海軍軍事学術研究所研究員の張軍社氏は、「いずもは戦略的に中国に対する抑止力を持たないが、戦術面から論じると、中国の潜水艦部隊に一定の影響を及ぼす。また指揮艦や兵力輸送艦として、自衛隊の海上作戦能力の強化に大きく寄与する」と述べた。中国軍事専門家の李傑氏は、日本の海上総合能力の構成について、次のように分析した。(1)対潜作戦能力。日本は中国の潜水艦の増加、特に原子力潜水艦の能力の強化に対する警戒と懸念を隠していない。(2)離島攻防作戦能力。いずもの就役後、日本はこの大型戦艦の使用に傾斜する可能性がある。(3)シーレーンの保護。李氏は、「前2者の能力は中国の海上権益保護の活動と密接に関連する。いずもの就役は、中日の中・遠距離海域における潜在的な対抗の情勢に影響を及ぼす可能性がある」と指摘した。
いずもと軽空母は紙一重だとする声もある。李氏は、「正確に言えば、いずもは日本が空母を発展させる需要と潜在能力を持つことを示している。その就役の過程からも、この発展の可能性を確かめることができる。しかし現時点の機能と位置付けから論じると、これは総合的な作戦能力の向上を目指すものだ。いずもは戦闘機を垂直離着陸させる機能を持ち、甲板も一定の耐熱性を持つ。しかし実際に空母として長期的に使用する場合、その甲板が噴射炎の高熱に耐えられるか、保炎板の設計をどうするかなど、改造が必要な点がある」と分析した。
いずもは2013年8月に進水した。国際社会はこれについて、日本が軍事化に向け新たな一歩を踏み出したことを象徴するとした。これが中国から反感を買っているのは、いずもという名称のせいだ。「帝国海軍時代」の悪名高い出雲装甲巡洋艦は、日本が甲午戦争(日本名・日清戦争)の勝利によって、清王朝から得た巨額の賠償金を使い英国から調達した軍艦だ。同鑑は日露戦争、第一次世界大戦に参戦したことがあり、天皇の「御召艦(おめしかん)」でもあった。老朽化した出雲は1937年に、中国侵略戦争の第三艦隊の旗艦として上海に向かった。中国軍はその後数年に渡り攻撃を繰り返したが、撃沈できなかった。訓練艦として使用されるようになった出雲は1945年7月24日、米軍の空襲により呉軍港に沈められた。
一部の日本メディアは、F-35搭載後のいずもの実力は中国の空母「遼寧艦」を上回ると判断している。専門家は、「遼寧艦の排水量は6万5000トン、いずもの満載排水量は2万7000トンだ。いずもがコンパクトカーならば、遼寧艦は土砂を積んだ大型トラックだ。サイズが大きく、積んでいる物も多い。いずもはせいぜい十数機しか積めないが、遼寧艦は数十機を艦載でき、次元が違う。日本は来年、2隻目の準空母を就役させる。日本はすぐに3隻就役・1隻建造という規模を構築し、さらに後者を艦隊に加えることになる。日本は太平洋で、戦後としては初めて4隻の準空母機動艦隊を持つようになる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年3月26日