タイ鉄道建設をめぐる中日争奪戦、恩恵を受けるのはタイ

タイ鉄道建設をめぐる中日争奪戦、恩恵を受けるのはタイ。

タグ: タイ鉄道 中日争奪戦

発信時間: 2015-04-15 14:50:32 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

タイのパラユット首相は先日、タイ国内で計画中の2本の新鉄道建設について日本と協議し、その結果を4月下旬に内閣に報告するようプラジン運輸相に指示した。2本の鉄道路線のうち1本はバンコク-ピサヌローク-チェンマイを結ぶルート。総延長距離は700キロに達し、日本側は高速鉄道を提案している。もう1本はカンチャナブリー-バンコク-アラムを結ぶルートで、こちらは普通鉄道である。プラジン運輸相によると、線路の規格はともに1.45メートルで、企業化調査の結果は良好だが、コストが極めて高いという。

また同運輸相はその際「昆明-ラオス-タイの鉄道建設に関する交渉が中国との間でまとまらなかったため、中国は今回の2本の案件には参加しない」と述べた。しかし駐タイ中国大使館によると「中国が今回の案件を拒否したという情報は事実と異なる。5月に昆明で新たな交渉が行なわれる。昆明-タイの交渉も決裂していない」としている。

プラユット首相は14年12月と15年2月に中国と日本を訪れ、それぞれ北京-天津、東京-大阪の高速鉄道を体験した。そして「タイに高速鉄道があれば素晴らしい」と語った。その後首相はタイ国内で、高速鉄道のプロジェクト開始を正式に表明した。運営方式については「当初は民間モデルを考えていたが、資金的な問題を解決するためPPP(公民連携)とする。すでに数社の企業や機関が名乗りを上げている」という。

今回のインドシナ半島での中国と日本によるインフラ競争はタイを含むインドシナの国々に大きな利益をもたらすものだ。

タイはインドシナ半島の最も重要な場所に位置し、同半島の国の中の最先進国である。したがって、中国と日本のうちどちらか主導権を握った方が、インドシナ半島全体の鉄道建設でも優位を得ることになる。単にビジネスという点だけから見れば、日本の海外鉄道建設のコストは中国より高い。しかし、日本はタイでの受注を成功させるために政府開発援助(ODA)による資金供与を惜しまない考えで、それによって日本政府は大きな財政負担を負うことになる。つまりタイの鉄道建設をめぐる競争は、日本にとって経済分野の枠を超えて政治の領域で争いになっているのである。

周辺諸国との「相互交流」を積極的に推進している中国にとっても、その意味合いは経済分野だけには止まらない。中国はインドシナ半島の国々の経済発展と政治の安定を心から望んでいる。周辺諸国のインフラが整えば、経済の発展につながり、これは中国の周辺地域の平和と安定のためにプラスに働くことになる。タイはその中で重要な位置を占めるため、中国がタイ鉄道建設の主導権を簡単に放棄することはありえない。

中国と日本がインドシナ半島での鉄道建設の主導権をめぐって争うなか、タイは両国をうまく競わせ、タイ自身の力ではできない高速鉄道プロジェクトを実現させようとしている。あらたな交渉は5月に昆明で行なわれる予定だが、タイの考え次第ではさらに多くの鉄道プロジェクトもスタートする可能性がある。

中国と日本は、タイだけでなくベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーなどの国でもインフラ建設において激しい主導権争いを行なっている。中国と日本が競争することは、資金と技術支援が必要なインドシナ半島の国にとって、大きなプラスになることは間違いないといえる。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月15日

TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
iphoneでもチャイナネット!

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで
 

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。