日本の歴史問題に対する態度は長期にわたって東アジアの隣国の非難を浴び、米国の不満をも引き起こしてきた。TPPでの非協力的な態度はすでに米国の不満の種となっている。もしも日本が歴史問題でさらに面倒を増やすことになれば、オバマ政権の我慢も限界に達するだろう。中国は今年、抗日戦争勝利70周年の記念活動を開催する。米国とロシアの両国は中国の招待を受け入れる可能性がある。日本があくまで欠席しようとすれば、中国と米国の双方の圧力に直面することになる。こうした状況の中、安倍首相はTPPと歴史問題で米国に妥協する可能性が高いと指摘する声もある。安定した日米同盟関係は日本にとって非常に重要なものとなる。
TPPが中国の参加なしに成功することはできない。AIIBも同様に、米国の協力なしに大成功を収めるのは難しい。AIIBの開拓と「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の建設の推進に伴い、米国が中国をTPPから締め出すのは難しくなるだろう。将来のTPPの規則は、中国の参加のために調整される可能性もある。一部の分野(知的財産権など)での相違は埋めがたく、中国の参加によって初めて参加国の均衡が取れるとも言える。TPPという巨大な弧は将来、「1ベルト、1ロード」と結びつき、中米日3カ国の関係を平和的共存と利益共有の繁栄の弧に納め、AIIBは世界銀行とアジア開発銀行とともにこの地域の協力と繁栄のために奉仕することになるだろう。これは中米両国が「トゥキディデスの罠」(新たに台頭した大国と既存の覇権国の競争が戦争につながる危険)を回避する重要なプラットフォームとなり、中米新型大国関係の構築が持つべき意義ともなる。