麻生氏が失言で国内外メディアの批判を浴びるのは初めてではない。2006年には「ニューヨーク・タイムズ」が、麻生氏が日本の外相になってから発表してきた「一連の驚くべき言論」についての記事を掲載した。天皇は靖国神社を参拝した方がいいとか、台湾の教育水準の高さは日本の50年にわたる開明的な占領政策にあるとかといった発言である。麻生氏のこうした間違った見解について、同紙は、麻生氏は外相として誠実さと聡明さを欠いていると批判した。麻生氏はさらに、「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。(日本の憲法改正も)あの手口に学んだらどうか」と語り、ナチス・ドイツと明確な線を引こうとしてきた日本人を困惑させた。
もっとも自らの教養の問題については麻生氏も自覚しているようで、「生まれはいいが、育ちは悪い」と劣等生であることをアピールしている。麻生家は、「大化の革新」の重要人物となった藤原鎌足の血筋も引く名家とされ、母方の祖父は吉田茂、妻の父も元首相の鈴木善幸である。だが麻生氏の趣味は漫画を読むことで、それは文字をあまり知らなくてもいいからだともいう。
麻生氏の口がまた滑ってしまったのは、日本の焦りの表れとも考えられる。中国の経済と国際影響力の高まりに麻生氏らは喪失感を抱いているが、これに対して何をすることもできずにいる。この点から言えば、麻生氏がこれから同様のおかしな言論を繰り返しても、驚くには当たらない。
日本は「恥の文化」を持つ民族である。言行を慎まない人には「恥知らず」「厚顔無恥」などの言葉で非難される。恥を知らない人は他人の尊重を得られないということを日本人は知っているはず…なのだが、どこにでも例外はいるものだ。(文:廉徳瑰・上海国際問題研究院アジア太平洋研究センター副主任、研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月24日