■「事足りればいい」の哲学
北京から東京に向かう飛行機の中で、日本航空は1枚の紙ナプキンを配った。これが我々にとっての初めの授業となった。
このナプキンはお茶の葉を回収して作った紙ナプキンで、淡い緑色をしていて、ほのかな緑茶の香りが漂っていた。私と相席の人は共に感嘆した。相席の人は冷静な様子で、「この紙ナプキンを作るには、通常のバージンパルプを作るよりも、コストは絶対により高くつくはず」と語った。日本の公共の場で置かれていたトイレットペーパーはすべてシングルで、包装紙の上には、「これは再生紙です」と書かれていた。私はといえば、国内でスーパーに行くと必ずまっすぐにバージンパルプのティッシュ売り場に向かっていた。
数日間で、見学したいずれの政府機関や新聞社でも胸章が渡された。非常に薄い紙に資料がプリントされ、透明のプラスチック製の名刺ケースに入れてあった。見学し終わると、胸章は必ず回収される。このプラスチック製のケースは、こうして何度も繰り返し使用される。
日本に着いたばかりの数日間は、毎日食べたりなかった。高級中国レストランで開催された宴会に参加したが、味はさて置き、目の前の皿の料理がすっかりなくなっても、従業員は2つ目の皿をなかなか持ってこない。日本式の火鍋に行くと、6人掛けのテーブルの上に載っているのは、一皿の肉と野菜だけで、残りはうどんのしゃぶしゃぶだった。