安倍晋三首相は29日に米議会で演説した際に、侵略の歴史と慰安婦問題に関する謝罪を避け、一部の米議員から強く批判された。
安倍首相は演説の中で、「戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に歩みを刻んだ。みずからの行いがアジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならない。これらの点についての思いは歴代総理と全く変わるものではない」と述べた。
安倍首相は慰安婦問題については触れず、「紛争下、常に傷ついたのは女性だった」と述べるにとどまった。
安倍首相は演説の中で、侵略の歴史と慰安婦問題に関する謝罪を避け、一部の米議員から強く批判された。
マイク・ホンダ下院議員は、「ショッキング」、「恥ずべきこと」などの言葉で感想を語った。ホンダ議員は、安倍首相による歴史の直視の拒否は、アジア太平洋の20万人の慰安婦の精神に対する「侮辱」であり、「受け入れられない」と述べた。
ジュディー・チュー下院議員は、安倍首相が「人々に不安と苦しみを与えた時期」における日本の責任を無視したと批判した。チュー議員は、「安倍首相は日本は常に前を見据えていると言ったが、責任感と自責の念がなければ前進は不可能だ」と指摘した。
安倍首相の演説の同日、アメリカ国会議事堂前には数百人の抗議者が集まった。スティーブ・イスラエル下院議員は、安倍首相の演説開始前に抗議者の集団に加わり、演説の中で侵略の歴史を直視するよう呼びかけた。イスラエル議員は記者に対して、「歴史は永遠に忘れることができない」「安倍首相が過去の暴行を無視すれば、非常に不安な未来を迎えることになるだろう」と述べた。
今年は終戦70周年、日本の敗戦70周年だ。安倍首相と政権は集団的自衛権の行使容認を目指す一方で、歴史を直視せず侵略の暴行を粉飾しており、国内外から憂慮され、抗議を受けている。
安倍首相の訪米前、25人の米下院議員が連名で駐米日本大使に書簡を送り、歴史問題を解決し、「修復」と「和解」の基礎を築くべきだと首相に促した。米国政府も安倍政権に対して、歴史問題の直視を再三促している。
26日の訪米開始以来、安倍首相は至る所で歴史問題の謝罪を求める抗議者に遭遇している。安倍首相は28日、ホワイトハウスでオバマ大統領と会談した後の共同記者会見でも、侵略の歴史と慰安婦問題に関する謝罪を避けた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月30日