安倍晋三首相の訪米を契機とし、日米が軍事同盟を大幅に強化した。中露も全面的な「軍事・安全保障協力」を示した。中露は9月の中国の抗日戦争戦勝70周年を控えて、大規模な海上合同訓練を実施する。これは米日の新たな指針が、朝鮮半島有事の際に日本の自衛隊が介入する可能性を持たせたことと関連していると分析されている。朝鮮半島が米日・中露の間の軍事力の競争の最前線になるという懸念もある。
米日の新たな指針は、釣魚島(日本名:尖閣諸島)の防御措置を具体化した。自衛隊が敵の陸上攻撃を阻止し、米軍がこれを支援するという方法で、役割分担することを明確にした。これに対抗して中国は、ロシアの最先端防空ミサイルのS400を、東海岸に配置する予定だ。射程距離400キロのS400は、釣魚島を射程圏に収める。中国はロシアにとって、初のS400輸出相手国となった。取引規模は30億ドル。
中露はロシアの第2次大戦戦勝70周年を控え、黒海と地中海で合同演習を実施する予定だが、米日同盟の作戦範囲が世界に拡張されたことと無関係ではないとする見方もある。東アフリカのアデン湾で作戦中の中国東海艦隊は、黒海に初めて進入し、ロシア艦隊と海上閲兵式を展開した後、再度地中海に入り合同演習を行う。日本はかつて、原油輸送路である中東のホルムズ海峡が封鎖されても、自衛隊を派遣することができなかった。しかし「日本周辺」に縛られていた自衛隊の活動範囲が、新しい指針によって拡大され、状況が変わった。米日対中露の安保競争が、陸・海・空を越え宇宙を含めた4つの空間で同時多発的に行われる流れを示している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月5日