「侵略戦争の被害者に謝罪し、信頼関係を構築することが、日本の最も堅固で持続可能な安保政策だ」
集会の現場に集まった人々は意気軒昂とし、「9条、イエス」「戦争、ノー」といったスローガンを叫び、集団で「憲法体操」を行った。
大富さん(女性)は川崎市在住の、3歳の子供の母だ。彼女は「9条の窮状」と書かれたTシャツを着用し、人々の中で特に人目を引いた。大富さんは記者に対して、「よく自分でメッセージを書いた服を着て街を歩いている。多くの人に憲法、特に9条の危機を実感してもらうためだ。子供はまだ3歳で、幸せで平和に暮らせるようにするため、憲法を守らなければならない。憲法は大きな危機に直面しているが、これほど多くの人が集会に参加したことで、今後の護憲活動への自信を深めた」と話した。
スーツを着用し、背筋を伸ばしてスピーチを真剣に聞く白髪の高齢者がいた。彼の名は石川昌一さんで、今年91歳だ。石川さんは記者に対して、「私は戦争の時代を体験しており、戦争の悲劇が再演されないことを強く願っている。護憲をテーマとする集会は非常に重要であり、正装で参加しなければならなかった。私は学生のころ、日本政府が宣伝していた『満蒙は日本の生命線』といったスローガンを信じて疑わなかった。日本の敗戦後にさまざまな事情を知り、あれが軍国主義勢力が侵略戦争を美化するためのスローガンに過ぎなかったことを知り、自身の世界観に根本的な変化が生じた」と振り返った。
石川さんは、「日本の現状は、戦前にやや似ている。多くの右派メディアが改憲を煽っており、非常に懸念している。日本が発動した侵略戦争によって、数千万人の中国人が命を落とした。首相は侵略と植民地支配をはっきり認めた上でお詫びし、謝罪するべきだ。歴史を直視しなければ、歴史の悲劇の再演を防げない。憲法は戦勝国から押し付けられたという説は完全に間違っている。憲法はアジア諸国の人々に大きな損失をもたらした侵略戦争への反省を基礎とし、日本人が自ら制定したものだ。この憲法は非常に貴い。特に戦争の放棄を規定した9条はその中核をなしており、極めて重要だ」と指摘した。
現場の多くの市民は、「日本は米国との軍事協力を強化すべきではない。憲法9条を守り、侵略戦争と植民地支配による各国の被害者に謝罪し、信頼関係を構築することこそが、日本の最も堅固で持続可能な安保政策だ」と表明した。
集会の主催者の一人である高田健氏は、集会の終了前に、「安倍内閣は5月より、日本が再び戦争を発動できるようになる法案を国会に提出する。我々はこの危険法案の議決を全力で阻止しなければならない」と強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月5日