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海外メディアの報道によると、村山富市元首相はこのほど、第二次大戦終戦70年記念日に談話を発表する際に、20年前に発表された村山談話の精神を引き継ぎ、「深い反省」、「心からのお詫び」などの文言を留めるよう安倍晋三首相に促した。中国新聞網が伝えた。
91歳の村山氏は現地時間18日に行った講演で、村山談話は重要な地位を占めていると述べた。「私個人のみの談話であれば大きな意義を持たないが、これは当時の閣議によって決定されたものだ。その後の歴代内閣も、この談話を継承すると表明した。これは日本の世界に向けた約束であり、その重みは尋常なものではない」
村山氏は、安倍首相が今年の記念談話で謝意を薄めようとしていると指摘し、「これは間違っている」と述べた。
村山氏は演説の中で、安倍首相の改憲の狙いは非常に危険だと指摘した。日本が戦後70年維持してきた平和の道は、積極的に評価されるべきだ。日本国民の平和の願いは、その中で重要な力を発揮した。平和憲法によって、戦後日本はさまざまな戦争の危険を免れた。
日本は戦後、平和憲法を施行し、自衛隊の海外の戦闘への参加を認めなかった。安倍首相は現在、この憲法を改定し、解釈を見直そうとしている。
日本政府は今月14日、一連の新安保法案を閣議決定した。国会で議決されれば、日本は海外の作戦に兵士を派遣できるようになり、戦後の現状を変えることになる。
1994−1996年に首相に就任した村山氏は、1995年8月15日の終戦50周年記念日に談話を発表し、日本が国策を誤り戦争の道を歩んだことを認めた。また多くの国を植民地支配・侵略し、特にアジア諸国の人々に多大な損害と苦しみをもたらしたと認めた。村山氏は「深い反省と心からのお詫び」を表明した。村山談話は、日本が歴史を反省した節目の談話の一つとされている。
安倍首相は年初、今年の終戦記念談話の中で、村山談話を含む歴代政府の歴史認識問題における立場を継承すると表明した。しかし安倍首相は先月20日、村山氏や小泉純一郎元首相のように日本の「植民地支配と侵略」について明言せず、日本の過去の侵略について、関連諸国に対して明確かつ直接的に謝罪することはないと表明した。
安倍首相は日本メディアの取材に応じた際に、2名の元首相が表明した「基本的な考え」を引き継ぐが、上述した重要な文言を「もう一度書き込む必要はない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月19日