第二に、日本の安全保障政策は中国の利益を損なうものであってはならない。
日本の平和憲法を変えることは安倍首相の宿願である。第2次安倍政権の発足後、安倍首相は急ピッチでこれに取り組み始めた。半数以上の日本の民衆は憲法9条を変えることに反対している。だが安倍首相はその変更にこだわり、様々な手を打っている。安部首相は、オバマ政権の「アジア太平洋へのリバランス」戦略の推進には日本の協力が必要だということを知っている。そのため米国は日本の集団的自衛権解禁に黙認さらには支持の立場を取り、武器輸出三原則の変更も見て見ぬふりをしている。防衛協力のための指針(ガイドライン)の修正でも両国は呼吸を合わせた。日米は様々な形で「中国脅威論」をあおっている。同盟関係の強化には、中国をターゲットとした側面が強い。安倍首相は口では「日中両国の発展が互いに脅威とならないことに完全に同意する」としながらも、「中国脅威」を自らの政治的な抱負を実現するための道具にしようという意図が見え隠れしている。日本の中国に対する対抗姿勢が公然のものであろうと水面下のものであろうと、「中国の脅威」を前提とし口実とする限り、中国の利益に損害をもたらすものとなる。
日本が理解し、長期的に考えなければならない点はまだある。日本の未来は、周辺の隣国とりわけ中国と健全で安定した関係を保つことにあり、対立を形成することにはない。このことをはっきりと認識するには、次の4つの要素を考慮する必要がある。(1)平和発展はアジア太平洋地区の大きな流れである、(2)中国の発展はとどめようがない、(3)米国の対中政策の主流は対話と協力の模索にある、(4)日本国内には対中関係の発展を支持する大きな勢力がある――。
対中関係の改善の主導権を握っているのは日本である。中国側も中日関係の改善に取り組んでいるが、「(虎の首の)鈴を解くことができるのは鈴を付けた人である」ということわざもある。両国関係が長期的な安定を実現できるかは、日本が問題の本質を真に理解し、長期的な視野を持てるかにかかっている。日本は真剣に熟慮すべき時に来ている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月21日