中日関係には最近、改善の多くの兆しが見えている。習近平国家主席と安倍晋三首相はバンドン会議の会期中に首脳会談を実現し、自民党総務会長の二階俊博氏が日本各界の3000人を率いて観光・交流を目的に訪中し、習主席からもてなしを受けた。
とは言え、中日関係の複雑性が薄れたわけではない。日本はアジアのインフラ整備に1100億ドルを投資すると発表し、中国を非難している。これは国内外で、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の影響を相殺するための、日本による対抗措置と分析された。安倍首相の昭恵夫人は靖国神社を参拝し、歴史問題で頑なな姿勢を示した。
中日関係は中国にとって最も処理しがたい二国間関係の一つである。日本は中国の隣国であり強い実力を持つため、中日の争いは中国の国益を左右する試練となっている。外部の要素を含む多くの矛盾点が中日関係の改善をけん制しており、真の突破は容易ではない。ここでは中日関係のさまざまな要素を整理し、考えの筋道を立てようと思う。
まず、中日関係は一方が意地になり放棄することのできる、その崩壊と悪化を放置できる二国間関係ではない。中日の国民間の好感度は、1970年代以来で最低水準となっているが、両国の社会は相手の重要性をはっきり認識し続けている。
中日はどちらが相手をより重要としているのだろうか?これは計算できることではない。中国は急速に台頭しており、中国との長期的な戦略的対立は激しい消耗を強いられ、徐々に日本には耐えられない重荷となるだろう。中国にとって、日本との緊張が強まれば、わざわざ日米同盟を強化することにつながる。それが中米の間でいかに移ろうかは、アジア太平洋の地政学的駆け引きの性質に影響を及ぼし、米国を前にした中国の戦略的な主導権を強める、もしくは弱めることになる。